あと一歩を踏み出せずにいる春に
自分自身を見るようで
苛立っていたのか
いつもより饒舌に
そして強圧的に
意思を符号で送りつける
力みの取れない符号だから
打ち返される符号もどこか
ぎこちなく
本意とは異なっているような感覚すら覚えるようになる
そう
既に自分自身でも何を言ってるのか
わからなくなっていた
そもそも
思いを符号化して伝えきれるほど
器用にできているわけでもなく
だからと言って
全てを打ち明けられるほどの
覚悟があるのかさえ
わからずにいる
ましてや
そんな人間に
君の思いを汲み取れるはずもなく
誤解されることを恐れながら
その場に背を向け立ち去るのだ
期待されるべき自分自身に忠実であろうとして
繰り返される舞台の上で
代わり映えのしない
拙い演技を続けているのだ